言葉ではないもので 西城秀樹 書きおこし

西城秀樹さんについて語られた言葉を記録しています。

午前0時の歌謡祭 小林亜星氏 西城秀樹さんを語る

ラジオ FMおだわら「午前0時の歌謡祭」

小んなうた 亞んなうた 作曲家・小林亜星特集【後篇】

2019年(令和元年)8月25日 24時~25時

MC       濱口英樹氏(作家/プランナー/音楽研究家)

ゲスト 小林亜星氏(作曲家)

 

番組48分より

西城秀樹さんのお話になりました。

 

濱口英樹(以下濱)

「2週にわたってお届けしてきた

『小んなうた 亞んなうた 作曲家・小林亜星特集』

如何だったでしょうか?

本当はもっと沢山の楽曲を紹介したかったのですが、

この続きはですね、ぜひ8月7日に4ジャンルが同時発売された

『小んなうた 亞んなうた 小林亜星楽曲全集』でお楽しみ下さい。

4タイトル5枚のCDに、153曲ですよ!皆さん!(笑)

それがね、ぎっしりと詰まっておりますので、

亜星ワールドの真髄をご堪能頂けると思います。

ということで、2週に渡った特集の締めの曲なんですが」

 

小林亜星氏(以下 亜)

「いやあ…ありがとうございます」

 

濱「ありがとうございます。こちらこそ。

99年に…ああ、もう20年前になっちゃうんですね。

リリースされた西城秀樹さんの『ターンAターン』をセレクトしました。

こちら作詞が井荻麟、つまりね、富野由悠季さんのペンネームですけれども、

編曲が矢田部正。作曲はもちろん小林亜星先生。

フジテレビ系アニメ『ターンエーガンダム』のオープニングテーマだったんですが、

聞くところによると、これは先生のご指名でヒデキさんに行ったと」

 

亜「そうですね。僕はね、あの、ヒデキさん…とね、

一緒に(寺内)貫太郎一家という

親子の関係で演ってた、仲良くなってたんだけど、

二人とも音楽やるのに、一緒に音楽やったことがなかったんです」

 

濱「なぜか」

 

亜「で、僕もアニメの仕事を頼まれて、これが最後にしようと思って、

じゃ、ヒデキにどうしても歌ってもらう曲を作りたいと思って。

ヒデキにお願いしたら、快く引き受けて下さってね」

 

濱「ちょうど、舞台の貫太郎一家をおやりになってる頃に、その…」

 

亜「そうですね。舞台の貫太郎をやらせて頂いたちょっと後ですね。

ええ。そうです。

まあ、ほんとありがたかったですけど…」

 

濱「『ヒデキ』が歌うことを前提に、その…敢えて、と言いますか、

結構難しい曲だと思うんですけども、それを見事に」

 

亜「そうですね。それで僕も、自分でアニメの曲作る時でも何でも

少し、こう、子ども向きに優しく歌える様にとか、

そういう音楽的じゃないことを考えてやって、

音楽的じゃなくはないんだけど(笑)

それも音楽の一種かもと思って作ってたんだけど、

今度はどんな難しくてもいい。とにかくこのアニメにぴったりの音楽を、ね…

もう、何言われても作っちゃおうと。これを最後にしようと思ってね。

実際に最後になりましたけど、それで作らせて頂いて。

ヒデキに頼んだら、快く引き受けてくれて。

 

それで…ヒデキが…僕もね…

 

ヒデ…西城秀樹…普通の…あの…まあ…歌手とちょっと違うという…

流行り歌の歌手じゃないですね。

もちろんそういうものでも(あるが)…

ヒットしてるものが向こうの曲とかが多いでしょ…ヒデキの場合ね。

凄い音楽家なんです。優れた。

それを皆さんあんまり知らないかなあと…」

 

濱「うん、うん」

 

亜「うん…(ヒデキは人からは)わかんないような顔をしてるけど、

ヒデキ自体は物凄く音楽的には、あの…高度なね…あの…ものを持った…」

 

濱「知識も技量も備えている」

 

亜「備えている人でね。だからもう、

ヒデキの最高のところをね、もう引き出して、出させて頂いて、

まあとにかく僕も、アニメ作品、色々やらせて頂いてきたけど、

これでもう俺のやりたかったのこれだ!って曲をね、作っちゃう、何言われても。

それで…(笑)ヒデキに頼んで作った曲なんです。自分じゃ満足してるんですけど。

まあ、そんなこともあったんで僕としては、非常に何ていうか心に残っている作品でね。

最後のやっぱりアニメ作品になったんで」

 

濱「それで、これを最後になさろうと思ったのは、

…この辺が一つのキリだなっていうのがもともと…思いがあって?」

 

亜「そうですね。まあ…年齢がもっと若い人が作るもんじゃないかと思ってましたから」

 

濱「ああ、なるほど。実際に作って、

ヒデキさんが歌ったらほんとに素晴らしかったので、

言ってみれば卒業記念じゃないけど…」

 

亜「そうですね」

 

濱「思い残すことはもうないな、ということでございましょうか?」

 

亜「その通りです」

 

濱「なるほど」

 

亜「ヒデキは凄い…あの、結構難しい歌だけど」

 

濱「はい、難しいと思います(笑)」

 

亜「完璧、歌ってます」

 

濱「それをでも、その…多分、美空ひばりさんもそうだと思うんですけど、

難しい歌をそういう風に感じさせない様に歌うのが、プロなんでしょうね」

 

亜「全く!その通りだと思います。本当に。凄いですね。ええ」

 

濱「…ねぇ…アイドルとして出てこられた方ですけども、

やっぱりかなり色んな洋楽的なエッセンスを持った作品を」

 

亜「物凄い。凄い音楽家です」

 

濱「はい。なるほどなるほど…じゃあ、西城さんの名唱をね、

最後にたっぷり皆さんにね、ご堪能いただきたいと思います」

 

亜「いやあ、ありがたいです」

 

濱「先生2週にわたって貴重なお話をありがとうございました」

 

亜「いやいや、こちらこそありがとうございました。 

よろしくまた」

 

濱「それでは 西城秀樹『ターンAターン』聴きながら、

今月の0時歌謡は、おひらきと致します。

お相手は歌謡曲愛好家の濱口英樹でした。皆さん良い一週間をお過ごし下さい」

 

 

西城秀樹 歌唱 「ターンAターン」

https://www.youtube.com/watch?v=tgG1kosg7lU



小林亜星氏

『小んなうた 亞んなうた 小林亜星楽曲全集』(2019年8月7日発売)

https://columbia.jp/prod-info/COCP-40913/

特設サイト

https://columbia.jp/kobayashiasei/

 

 

濱口英樹氏 著

『ヒットソングを創った男たち 歌謡曲黄金時代の仕掛人』(2018年11月28日発売)

https://www.shinko-music.co.jp/item/pid064526x/

 

ドラマ「寺内貫太郎一家」小林亜星さん 西城秀樹さん



 

2019年12月19日

 

思い出のメロディー「志らく&ミッツのウラトーク!」

2019年(令和元年)8月17日(土)

NHK総合テレビ 午後7時30分~午後8時50分

司会 東山紀之氏

   小野文惠アナウンサー

 

収録日 8月3日(土)NHKホールにて

 

副音声

立川志らく氏 ミッツ・マングローブ氏 対談

「志らく&ミッツのウラトーク!」

 

1978年(昭和53年)11月12日 NHK レッツゴーヤング

ブルースカイブルーの歌に重ねる形で、志らく氏とミッツ氏の語りが流されました。

 

 

立川志らく氏(以下志)

「わあ…西城秀樹」

 

ミッツ・マングローブ氏(以下ミ)

「ヒデキさんだ…」



志「もう、男の色気…。

このね…バラード、これがたまらないですよ。歌詞も相当意味深なんですよ。色々深読みもできるし。またねえ、色気あるんだこの人は…」

 

 

ミ「これがそうのよ…奇しくも最後の、ヒデキさんのお見送りの時に、これがバーっと流れて…ほんと、いろんな世代がまたこの曲にね、心打たれたっていうね…」

 

志「でも、西城秀樹っていう人は、デビューしてから…ご病気もなさったんだけど…。

多分ファンの人がみんなね…(ヒデキさんに)あまり年取ったイメージないんですよね」

 

ミ「うん。いわゆる『ヒデキ!』っていうね。カタカナで『ヒデキ!!』っていう、あの存在のままでしたからね。

やっぱりあれですよね。ヒデキさん、こうやってアクションつけて振り付けで歌って、いわゆるカラーテレビだったりとか、カメラの技術なんていうのも、より進化したって言われていますよね。それまでは割と直立不動だったり、せいぜいリズムをとるくらいだったのが」

 

志「日本の歌ってのはね、藤山一郎、東海林太郎から始まって。直立不動で歌って」

 

ミ「それこそ(美空)ひばりさんが、真っ赤な太陽でちょっとリズム刻んだくらい大騒ぎになったくらいですもんね」

 

志「女性では、笠置シヅ子さんですよね、あとお恵ちゃん、松山恵子。でも男性は比較的やっぱり動かない」

 

ミ「動かないっていうのがあった…。が、このもう…アクションですよね?振り付け・アクションっていうのを歌の世界に取り入れて、より歌がテレビ的になっていったってことですよね」

 

志「見(魅)せる歌」

 

ミ「うん、見せる歌」

 

志「私なんか子どもの頃は、見せる歌っていう感じがしてたんだけど、ある程度歳取ってくると聴かせる歌なんですよね」

 

ミ「ヒデキさんは…そうですよ」

 

志「それはね、いろんな歌を聞いて来て、後で気がつくんです。

抜群に歌が上手いっていうのがあるんだけど。子どもの頃はね、派手に歌って、ヤングマンなんかもそうだけども、飛び跳ねてっていうね。元気があってって、かっこいいなあ〜!だったんだけど…よくよく聴いてみると…」

 

ミ「…ね」

 

志「…バラードなんですよね」

 

ミ「ボーカリストですよね」

 

しばし聞き入る

 

ミ「いわゆるオーバーアクションと言われるようなこの…青空の時にはくっ!と手を上にあげるとか…色々と、アメリカとかに行ってすごい勉強されて、日本に取り入れたって話ですものね」

 

志「藤山一郎が、『楽しい歌を歌う時は思いっきり楽しく歌う、悲しい歌を歌う時は大人しく歌う。これが大人の歌い方です』と。

ものすごく楽しく……元気よく歌うってのは、ほんとに歌の基本に入っているんですよね」

 

 

志らくさん、ミッツさん、秀樹さんを語って下さってありがとうございました。

 

 

 

このブルースカイブルーの歌唱映像は

「HIDEKI NHK Collection 
西城秀樹~若さと情熱と感激と~」

のdisk1 24に収録されています。

特設サイト

http://www.110107.com/s/oto/page/hideki_DVD?ima=4246

購入はこちらから

https://www.sonymusicshop.jp/m/item/itemShw.php?site=S&ima=4405&cd=DQBX-1225

 

2019年9月12日